「そんなに怖いなら、これから俺達の間に隠れてればいい。そうすれば直接戦うことはなくなるだろう」

竜さんが冷たい声で言った。私は少しびっくりした。
すると狼が竜さんに食ってかかった。

「夏実ははじめてだったんだ!そんな強くいわなくったって……」

「ううん。狼、大丈夫」

そっと狼をとめ、私は竜さんをみた。

「大丈夫です。自分の身は自分で守れるようにします」

「……そうか」

竜さんはそう呟くと、剣を取り出した。

「これからはきっと、争いは避けられない。気を引きしめていこう」

「……はい」

私が返事をすると竜さんは頷いた。
……でも狼は不服そうな顔をしていた。そしてそっと私から離れ、ずっと真剣な顔をしていた。