ばたんと敵は倒れ、動かない。それと同時にあっちも終わったのか、敵の叫び声と倒れた音が聞こえた。

「夏実、大丈夫か?」

私は銃をしまい、まだ尻餅をついたままの夏実に駆け寄る。敵の返り血を浴びたらしく、所々濡れていた。リアクションがなくて心配になり、しゃがんで顔を覗きこんでみると顔は青ざめていた。

「夏実……?」

肩に手をのせると、肩が震えた。

「あ……っ」

すると思い切り手を振り払われる。そして驚いたように目を見開き、私をみた。
少し沈黙があったあと

「ご、ごめん……」

と夏実が口を開く。私は少しびっくりして動けなかった。

「どうした」

アイツは淡々と私たちのもとへ近づいてきた。どうやら今まで相手の荷物を探っていたらしい。なにかを手にしていた。