「横になって……」

夏実が私の体をゆっくりと倒してくれた。

「横になってるから……なんか喋って」

「なんかって……」

「たのむ……」

なんかしていないと、気が狂いそうなんだ。
私はじっと夏実をみる。
夏実は観念したようにため息をついた。

「はいはい。狼って意外に甘えた?」

夏実は苦笑する。
……はじめていわれたぞ。

「さあ……。いわれたことないな。それよりも」

「それよりも?」