足がガクガクする中、ユズはタカシの家のチャイムを押した。

「はい」

と、タカシの低い声。

声が聞こえただけでユズの肩はビクッと上にあがった。

「ぇ、えっと…高橋ですけど…っ」

「…高橋?何?」

「ちょ、ちょっと来て!!」

「…うん」

ユズは震える足を止めようと、足に力を入れた。


カチャ



「中山…」

「…どうした?」

「あ、あの…」

言いたいことは分かっているのに、口が動かない。