『薫?先行くぞ。早くしろ。』 何やらアイツは準備に手こずってる訳じゃないらしい。 そんな事ぐらいすぐに分かる。 誰かと電話してる。 部屋から薫が相槌をうつ声が聞こえる。 急いで降りて来た薫の鞄を持ってやった。 「ありがとう…」 そう言う薫の様子がおかしい。 .