あたしが空港に向かうために荷物をまとめて家から出たとき―…


駅の方角から駿斗たちが走ってきた。


「おい実衣ッ!!
そんなに荷物持ってどこ行くんだよ??」


駿斗が話しかけてくる。

駿斗と話すのも、これで最後だ…。

「あのね、あたし、洸暉と駿斗に告白されて考えたんだけど、あたしがいるとみんなが仲悪くなっちゃうから、ママたちのところに行くことにしたんだ。

この間の手紙に、旅行券と一緒に航空券も入ってたしね。


今までありがとう。
すごく楽しかったよ。

ばいばいッ!」


あたしは駅に向かって歩きだした。