―駿斗Side―

俺は、実衣が絡まれたあと、ずっと考えてた。

このままの関係でいて実衣を守るより、思いを伝えて実衣の一番近い存在になって守ったほうがいいんじゃないか、って…。



空良たちには悪いけど、俺は告白すると決めた。

そう決めた俺は、実衣を探した。


まず、実衣の部屋へ―…。

でも、実衣は部屋にいなかった。

そこで洸暉に聞いたこと…。
洸暉が実衣にコクった。

やっぱり今日絡まれたときに告白しようと決めたらしい。


多分、実衣はそれで混乱して部屋を出たんだろう。

俺は、旅館の中を探し回った。


渡り廊下を走ってるとき、中庭に実衣が丸まって座っているのが見えた。


「実衣ッ!!」

実衣の肩がビクッと震え、ゆっくり振り向いた。

「話がある。」

「俺は、前から実衣が好きだった。
今、実衣が洸暉からコクられて混乱してるのは知ってるし、今まで我慢しようって思ってたけど、もう我慢できねぇんだ。

実衣を好きなのは、洸暉だけじゃないってこと、覚えといて。」


そして、俺は中庭を去った。