ガシッ…
後ろからだれかに捕まれた腕。
振り返らなかったけど、駿斗だとわかった。
「逃げんなよ…」
「離して…」
「は?」
「離してよッ!!
今までずっと、あたしを迷惑だと思ってたんでしょ??
同情で付き合ってたんでしょ??
本当は、他の子と付き合いたかったんでしょ??それなのに、あたしが邪魔してたんでしょ??
あたしのこと好きじゃないんでしょ??
なら、同情なんかで付き合わないでよッ!!
あたしは本気だったのに…
変な期待させないでよッ!!
もう二度と近づかないから!!
好きな子とお幸せに!!」
あたしは、歩きだそうとした。
「なんだよそれ…」
駿斗の言葉により、足が止まる。
「だってあの人が…」
「俺が同情なんかで、こんなに長い間一緒にいると思ってんの??
同情で付き合うとでも思ってんの??
誰から言われたんだか知らねぇけど、そんなん信じてんじゃねぇよ!!
俺は、お前が好きなの!
俺を信じろ。」
え…?
あたしは…嫌われてないの…??
「本当…??」
「あたりまえだろ。」
「あたし…嫌われてない…??」
「嫌うわけねぇだろ。」
「全部あたしの勘違い…??」
「そういうこと。」
「…………」
「先に帰られたとき、どんだけ焦ったと思ってんだよ。
家行ったら別れようとか言われるし。」
「ごめんなさい…
あたし、駿斗に迷惑かけてると思ってて、同情で付き合ってるって言われたとき、駿斗に嫌な思いとか迷惑とか思われてるなら、別れたほうがいいって思って…。
さっき走って逃げたのも、駿斗の顔見たら泣いたり抱きついたりしそうだったからなの…。
ごめんなさい。」
「ふざけんなよ。
俺は、実衣しか好きじゃないから。」
「ありがとう」