由李亜は校門をくぐり
しばらく沈黙していた

「…ねぇ…栞ちゃん…」

小さな由李亜の声に気づいた
栞は由李亜を見た

「なぁに?由李亜」

「絶対…おかしいよね??」

栞は少し黙り口を開いた

「…何が?」

そのあっさりした反応に
由李亜は栞を見て
目を丸くさせた
そんな由李亜を見て走真は
軽いため息をついた

「やっぱり知らなかったか…」と小さな声で呟いた



「な、何がって…ここ…
共学だよね??」

栞は由李亜の問いに
少し笑った

「えぇ…そうよ?」

その言葉を聞いた由李亜は
うつむいた

「じゃ、じゃあ…なんで
男の子ばっかりなの~!?」

由李亜は少し泣きそうに
なっていた
それを見た走真は
少し慌てて言った

「由李亜っ、この高校な、
去年まで男子校だったんだよ…」


「え…そんなの
知らなかったよ!
だって私…入学条件と規則しか調べてない…!!」

由李亜はその場で
力無く立った。
それを見た栞はため息をついた

「これだからほっとけないのよね…
最初に言ったでしょう?
この学校に由李亜だけでは
行かせる訳無いって…」

「し、栞ちゃ~ん!!!」

由李亜は栞に抱きついた