由李亜が席を取る変わりに走真と栞が料理を運んでくることになった


「あっ、あそこ空いてるっ!!
5人用の席だけど…
ここしか空いてない…」


由李亜は仕方なく5人用の席で2人を待つことにした
しばらくするとざわめきと共に周りが一気に静まった


「え…?」


さすがの天然の由李亜でも周囲の変化に気付いてキョロキョロと辺りを見回す
皆の視線の先を辿ると…
そこには呵位と愛斗が立っていた


「あっ…!!呵位くん、愛斗くん!!」


周りが静かなので由李亜の声はすぐに2人に届いた
その場に居た生徒達は驚いていたが由李亜はまったく気にしていない…というより気付いていない



「由李亜ちゃん♪」


愛斗がにこやかに近付き由李亜の頭を撫でた

「私子供じゃないよ??」

「っ…」

愛斗が撫でていた手を呵位がいきなり止めた


「ん?呵位どうした?」

「呵位くん??」

はっとした顔をして呵位は由李亜を見つめた

「…いや…何となくイラついた…」

「え、俺に?へぇー…」

愛斗は少しニヤけつつ呵位をまじまじと見ている

「あっ、栞ちゃん見っけ、俺行ってきまーす♪」


遠くに居た栞を見つけた愛斗は鼻歌を歌いながら栞の元へ駆けていった