振り向いた目に映ったのは、長身で細身のシルエット。 手元から、ゆるい煙がのぼっているのが見えた。 「だ、れ……?」 近づいてくる足音に少しだけ後ずさると、 「……うちの生徒ですね?」 タバコの香りと一緒に暗がりに浮かんだのは。 「はす、み、センセ……?」 たぶん、美術のセンセイだった。