「別に、楽しいわけじゃないし」 「そうですか?」 あたしを面白そうに眺めてから、 机の引き出しを引いたセンセイは、中からタバコを取り出した。 引き抜いた1本を長い指でもてあそびながら、未だ愉快そうにあたしを眺めてるものだから、 「そんなところに隠してたんだ、タバコ」 こっちだって、イジワルしてやりたくもなる。 相変わらず、変なところで負けず嫌いだと自分で思いながら。