あたしの前髪で遊んでいた指が、すっと、後ろに流された。 うなじの上で止まった指先が、くすぐるように撫でてくる。 「僕ですか?」 ちょっと言葉を溜めたセンセイは、 「そうですね、僕もオトコですから、」 あたしの肩にアゴをのせて、 「可愛い子が目の前にいれば、」 ――どうなるか、分かりません。 吐息混じりの声で、ささやいた。