「イヤなら、出ましょうか」 黙り込んだあたしの前髪に、センセイの指先が触れた。 緊張するけど、イヤじゃないから困ってるのに。 誰かに守ってもらってる、ひとりじゃないこの感覚が気持ちいいから、戸惑ってるのに。 「佐伯さん?」 「センセイは、……したくないの?」 「え?」 「あ……」 また、だ。 あたし、何を言ってるんだろう。 でも……、そうでしょう? 微かに聞こえてくる甘い声に、 ……センセイの近過ぎる体温に、 カラダの中が沸騰して、オカシクなりそうなのに。 センセイは、平気なの?