*Sweet×Trap* ~放課後のLOVEパレット~




*** *



気持ちいいとか、よくないとか。


そんなこと、分からない。



今言えるのは、


右手が熱いってことだけ。



センセイの瞳の中にいるモノクロのあたしの顔が、


本当は、すごく赤いんだろうってことだけ。



「……やっぱり、ダメ、です。画けない、から」



センセイの手の中に画筆を押し付けて、窓際に戻ろうとしたあたしを。



「ちょっと待ってください」



白衣の腕が引き止めて。



「罰なんですから。ちゃんと手伝ってもらわないと」



あたしの手をもう一度つかまえたセンセイは、


パレットの上のキレイな色を選んで、画筆に足した。