「僕と同じ夜桜を見ているのはキミだけですし」
手伝ってくれますよね?
そう言われたら、うんと言うしかない。
確信犯。
あたしに罰と言う名の掃除をさせて、
センセイは、白地に淡い色を乗せ始めた。
棚の上はどこから手をつけていいのかわからないくらい汚くて、
あたしは雑巾をにぎったまま、しばらくの間途方に暮れた。
「佐伯さんはひとりでいることが多いみたいですけど、誰かと騒いだりしないんですか」
完全に手が止まっているあたしに、
画筆を動かしたままでセンセイが言った。
何、突然。
関係ないでしょう。
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