教室のベランダにいる時。


廊下を歩いている時。


顔さえうろ覚えのクラスメート達からかけられる言葉は、


クラス委員としてのあたしに向けられる確認事項がほとんどだけれど。



それに振り向いたあたしの口が発するのは、業務事項みたいな辺り障りのない言葉。


それ以外、必要ないから。





でも。


今のこの状況。



いつもと決定的に違うのは、


どうしたって振り向けない、近過ぎるこの距離。