「もう一つ、描きかけの絵があるんです。それを手伝ってもらえますか」
頭の上で、センセイが可笑しなことを言っている。
「それが……罰?」
「ええ。どうです?」
「絵、って……何?」
「彫刻と油彩と、両方出品しようと思ってたんです」
「両方?」
「ええ。彫刻はもう諦めますから、油彩の方、手伝ってください」
「手伝う、って……」
あたしを可笑しいと言う前に、自分のことをそう思ったほうがいいんじゃないの。
「なんで、あたしが、」
「彫刻を壊したのはキミでしょう?」
「じゃ、なくて。頼む相手が間違って、」
「頼みじゃなくて、罰です」
だから。それはもう分かったけど。

