「どこに行っちゃったの?」
いくら探しても、メモ用紙はみつからなくて。
途方に暮れたあたしがふと目をむけた先に、美術準備室の窓があった。
あたしの教室から2階さがったところの突き当たりにある美術室。
それに隣接して、後から付け足されたみたいな準備室がある。
瞬間、背中がひやりとした。
準備室の窓が開いている。
そっと近づいて、背伸びをして、中をのぞいた。
中は薄暗くしんとしていて、センセイの姿はなかった。
ほっと胸を撫で下ろすよりも先に、息をのんだ。
絵具とか油とか、
なんだかよく分からないもので汚れた床の上に、探し物が落ちていたから。
「な、んで……よりによって」
1番見られたくないヒトの部屋に入り込んでるなんて。

