「気持ちいいんですか?」



大きな手があたしの髪を包んで、ゆっくりと撫でおろす。



ざわざわ、背中が波打つのに。


どうしてか、その手のひらが心地よくて。


この場から、立ち去ることができない。



「こっちにも、付いてますね」



近づいたキレイな顔が耳打ちする。



途端に生ぬるい息をふうっと吹きかけられて、


花びらと一緒に、あたしも地面にこぼれ落ちそうになった。