「センセイ……」 「ん?」 「はな、して」 「話しますよ。展覧会は、」 「そうじゃなくて。展覧会もホントは無かった話だってもう分かってるから。あたしが言いたいのは、」 「この手ですか?」 「……そう」 「離せと?」 「……うん」 この先、このコは俺の行為に対してどう反応していくのだろう。 片腕を拘束しただけでこの様子だ。 触れるだけとは言え、2度も口づけを交わしたというのに。