◆◇◆◇ これからの君に、 どんな色をのせていこうか。 ・ ・ ・ ・ 「ずっと気になってたんだけど……」 桜の絵に向き合って、首をかしげる生徒がいる。 「なんですか?」 「この絵、あれから動いた気配がないのは気のせい?」 佐伯亜子、2年生の女子生徒。 「気のせいじゃないですか?」 「ウソ。絶対動いてない」 「君がそう思っているだけですよ」 「……そうかな」 「そうです」 はっきりとした関係は出来あがっていないけれど、 小さな恋人でもある。