*** * 2時間前。 美術の授業。 中庭でデッサン中のあたしたちの間を、 白衣のポケットに手を入れたセンセイがゆっくりと歩いてくる。 来ないで。 こっちに来ないで。 息を殺して背を向けていたのに。 いつのまにか、スケッチブックの先にセンセイの黒いサンダルが止まっていた。