「僕のことについて色々書いてありましたね。
たぶん喫煙者とか、生徒ウケはまあまあ、とか。
それから……あたしのことをからかった、とか。
書いてある内容ですぐにキミだと分かりました。どうしてそんなメモが窓から入ってきたのかは分かりませんでしたけど。
外を見たら何かを探してる様子のキミが見えて。
ああ、このメモを探しているんだなと。
この部屋にこれが入り込んでいるのが分かったら、キミはどんな顔をするんだろうととっさに美術室のほうに隠れたんです」
「少し意地悪過ぎましたかね」センセイは小さく笑った。
「面白いコだなと思いましたよ。静かそうなのに、桜の下で踊ったり塀を乗り越えたり窓から侵入してみたり。
本当はどんなコなのかと興味がわきました。彫刻まで壊してしまいましたしね」
それは……悪いことをしたと思ってる。
だから罰だって受けたのに。
でもメモに気付いてて言わないなんて……
ホントにイジワルだ。

