◆◇◆◇ かかったのは、 甘くて優しい、センセイの罠。 ・ ・ ・ ・ 「キミが本気になるところを見たいと思ったんです」 チカラが抜けきったあたしをイスに座らせて、 「始まりは桜の木の下でしたね」 まるで種明かしでもするように、センセイが話し始めた。 あたしはまだ声が出せなくて。 机に寄りかかったセンセイが話すのを、ぼうっと見ていた。