*Sweet×Trap* ~放課後のLOVEパレット~



「こんなこと、」



しなくていい。


そう言いたいのに。



涙をぬぐってくれるその手の温かさはきっと本物で。


逃れることが出来なかった。



それに――


もっともっと傷ついてもいいと思った。



始めから、そのためにここに来たから。


センセイを、忘れるために。



もっと傷ついて、


キライになってしまいたかった。



「センセイ……、」


「はい?」


「あたし、手紙をもらいに来たんじゃないの」



さっき、言えなかった理由。


お願いするのは、さすがに勇気がいる。


だけどそうしないと、センセイをキライになれない。