「これが……あたし……」 ……本当は、明るい場所が好き。 木漏れ日の下で、ひらひらと舞い降りる花びらを受け止めるのが好き。 なのに2年間、暗い場所ばかり選んで。 ココロから笑うことなんて、できなかった。 絵の中のあたしは、それが出来ている。 こんなにも笑顔で。 大好きな明るい桜の下で。 「キレイ……」 そう。すごくキレイに。 胸の奥に刺さっていたものが溶けていくような感覚に、 あたしはしばらく、キャンバスの前から動けなかった。