「なに……? これ」 振り返ってセンセイに尋ねると、 「佐伯さんのいない間に完成しました」 「そうじゃなくて……、どうしてあたしがここに?」 首を傾けたセンセイが笑う。 「ご褒美みたいなものです」 「ご褒美?」 「しっかり罰を受けてくれましたしね。気にいってもらえましたか?」 あたしは、もう一度絵に向き直った。 ――眩しいほどに輝く桜。 その中に、自分がいるなんて。 すごく……不思議な気分で。