「カギ、かけないで帰っちゃったの?」 もしかしたらまだ、校舎内のどこかに居るのかも。 そう思ったあたしはいつかのように、 腕にチカラを入れてジャンプして、中にしのび込もうとした。 けれど。 ここまで走ってきた足はカクカクと震えて踏ん張りが利かない。 コンクリートの壁ですべった靴。 あっと思った時にはカラダが傾いていて。 そのまま地面に倒れ落ちそうになった。