窓際にかけてあった制服をひったくるようにして胸に抱いて。 ふと横を見ると、あたしの目に映ったのは、完成した桜の絵。 青空の下でキレイに咲き誇る、ピンク色の。 ――もう、ホントに必要ない。あたしなんて。 終わり。もうこれで。 「さよう、なら」 うつむきながら横を過ぎようとすると、 「佐伯さん」 腕をつまかれて。 「まだ乾いてないでしょう?」 「いい。大丈夫です」 「その格好じゃ、」 「平気です」 離して。 お願いだから。