*** *



間一髪。


腰に回ったセンセイの腕。


背中に感じる白衣の胸。



「危なかった」



耳元の声。


生ぬるい息。



「落ちてケガでもされたら、本当に手伝ってもらえなくなりますからね」



こんなときでも、そんなことを言うの?



「離して、ください」


「罰は終わってませんよ」


「だからもう行かないって、」


「こんな格好で帰るんですか?」


「……え?」


「汚れてますよ? 何をしたんです?」


「……別に、」


「それに、このブラウスじゃ、」


「……?」


「帰りに何をされるか分かりませんよ? オトコに」



センセイの言葉にはっとしたあたしは、


ブラウスが濡れて肌が透けていることに初めて気づいた。