*Sweet×Trap* ~放課後のLOVEパレット~




*** *



鎖骨をなぞる指先の感触が、


あたしの中をくすぐりながらめぐる。



……夢じゃ、ないのかもしれない。



「や、め……」



抵抗の言葉をかきけすように。


風に舞い上がった花びらは、目の前のヒトに降りそそいだ。




――キレ、イ




こんなことをされているのに。


浮かんだのは、桜の花を愛でるような、そんな言葉。



「大丈夫ですか? 震えてますよ?」



あたしの気持ちを見透かすようにして、あくまでも冷静にほほ笑むその顔は。


まるで、白衣に身を包んだ……キレイな悪魔。





「早く帰ったほうがいい」



からかわれてると気づいたのは、


首筋をすべって抜かれた手が、タバコに火を点してからだった。