「夜桜、」 「……ん? はい?」 「夜桜じゃなかったんだ。センセイが描いてるのって」 「ああ、」 顔を向けたセンセイは、 「そうしようとは思ったんですけどね。でも、描いているうちにこうなりました」 「どうして?」 「どうしてでしょうね」 首をかしげて少し考えてから、 「明るい方がいいなって思ったのかもしれませんね」 眼鏡の目を細めた。