教室へ戻る廊下の窓から、中庭が見える。
白衣を着たセンセイが、太陽を見上げながらよく立っている場所。
あたしのヘタクソな絵を上手だなんて褒めてみたりして。
罰、なんて言って、あたしを掃除当番みたいに扱って。
ハラハラさせて。
ドキドキさせて。
ホント……ウソつきな悪魔。
でも、そんな悪魔にとらわれてから、
退屈だった放課後が忙しくなって。
上原さんみたいな明るい色が差し込んできて。
確かに、ちょっと変わったのかもしれない。
センセイがパレットに載せる色とりどりの絵具みたいに、
あたしの灰色のココロにも、
薄く、ちょっとずつ、キレイな色が付き始めてる気がする。

