*Sweet×Trap* ~放課後のLOVEパレット~




*** *



上原さんは可愛い。


それは、彼女を初めて見た時からわかっていたことで、


こうして付き合うことになってから、ますますそう思うことが多くなった。



苦手意識はあったけど、


“可愛くても飾らない”


そんな性格が、あたしが彼女に気を許す一因にもなっているんだと思う。



好きかキライかと聞かれたら、好きだと答えられるくらいになってるし。



だけど。


この気持ちは何なんだろう。



「センセイ、そのネクタイいいね」


「そうですか? ありがとうございます」


「誰からもらったの?」


「自分で買ったんですよ」


「ホントに~?」



センセイと上原さんの会話。


準備室の隅で雑巾がけをしながら、


パレットの絵具をふき取りながら、


耳にするふたりの声が、時々、どこかにチクリと痛い。