チェリーブロッサム

早川君はとっても無愛想だけど、私を一目見てなんだか

驚いたような顔をしていたのは気のせいかな?


「ねぇ早川君、あたしとどっかで会ったことない?」

「え?無いと思うけど?なんで?」

「いや、子供の頃に会ったことあるような気がして・・・。」

「ふーん、人違いじゃない。」

そういって彼はゆっくり前を向いた。

なんか早とちりしちゃったなー。 

キーンコーンカーンコーン


教室の外には、早川君を一目見ようと集まった女子たちがいる。

早川君を見たみんなは必ずこう言う。

「夏くんにそっくり。」

夏くんっていったい誰なんだろう?気になることは友加里に聞くのが一番だ。

「ねぇ、友加里。ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・。」

「なーにぃ?優莉がそんなこと言ってくるなんて意外だなぁー」

「うん。あのさ、あの子たちが言ってる夏くんって誰なのかな?」

「あー早川夏。 蓮くんの双子のお兄さん。しかも一卵性!!」

「双子っ!? 一卵性って似てるんだよね?」

「うん、外見はね。性格はまるっきり違うと思うけど。」

「どういうこと?」

「さぁー?女の勘ってやつだよ!!それより優莉がこんなこと聞いてくるって事は
蓮くんのこと気になってんの!?」

「ちーがーうっ! ただ、蓮くんとどっかで会ったことあるような気がして・・・。」

「例の運命のお相手ってやつ?」

「かもしれない。ってだけだよぉー」

「ま。がんばってね♪」

「うぃーっ」


国語の授業、終了前・・・

「あ、佐野さん。配布物あるからちょっと職員室までとりに行ってくれない?
 先生の机の上にあるから。」

「はい。わかりましたぁー」

そして廊下を歩いてボーっと考え事をしていた。その時。なにかとぶつかった。

「「痛ッ・・・。」」

「あ、ごめんなさい><」

「あ、こちらこそ。」

私はその見覚えのある顔に一瞬脳が停止した。