凛と咲く、徒花 ━幕末奇譚━





翌日、昼。


私は再び昨日尋問されたときと同じ部屋に連れてこられていた。正面に並んだ顔ぶれ、背後に座る東雲さん、壁際に座る沖田さん。昨日と同じ状況。同じ時間帯。それでも、空気はぴりりと張り詰めてはいない。幾分か和らいでいるように感じる。




「話し合った結果、お前の処遇が決まった」



土方さんが真っ直ぐに告げる。


処遇。この言葉に心臓がどくっと大きく脈打つ。けど、不思議にも死を宣告される恐怖は薄らいでいた。後に続けられる言葉を想像すればやっぱり緊張するものの、昨日に比べれば確実に何かがちがっていた。

私の心の変化か、彼らの変化なのかはわからないけど。昨夜、彼らの人間味の片鱗を垣間見たからなのかな。





「近藤さん」

「あぁ」


土方さんに促され近藤さんはゴホンと咳払いし、私を見据えた。



「これから、君の処遇を言い渡す」

「……はい」

「君の処遇は―――」



私は無意識の内に瞳を閉じ、膝の上で握り合わせた手に祈るようにぐっと力を込めた。


まだ、生きたい。もっともっと生きたいの。

こんなところで死にたくない!!








「身柄を我々の監視下に置き、新選組預かりとする」


「………………え、」





信じられなくて、ぱっと目を開く。近藤さんと山南さんのどことなく穏やかな表情と、一人だけ渋い呆れ顔の土方さん。私は暫くの間、呆然と瞬きを繰り返した。