言い淀む彼女を睨みつけ、無理やり黙らせた土方さんは私に射抜くような視線を浴びせ、言った。
「俺はな、テメェの崩れた面拝みにわざわざきてやっただけだ!!!!」
っな、ひ、酷いッ!!
「素直じゃないなぁ、土方さん」
すると、にこにこしながら鬼副長の怒りの元凶の種を振りまいた彼がひょっこり現れた。
「心配して、見舞いに来たって、素直にそう言えばいいじゃないですか」
「総司ッ……騙したなおめぇ!!」
まるで地の底から這い上がってくるようなおどろおどろしいろしい声を低く響かせる土方さん。
「え、なんのことです?私は土方さんがこの子の元へ行きやすいよう、理由を作ってあげただけですよ。よかったですね、ちゃんと見舞いに来れて」
「ったりめぇだ!!瀕死の状態だとかなんとか、あんだけぐちぐちぐちぐち背後で呪詛みたいに延延と言われりゃあ誰でも動くに決まってんだろーが!!!」
土方さんは彼の胸倉を掴み、激しく前後に揺すった。
「それで?逃げ遅れたやつらは、何か吐きました?」
怯むことなく平然と返す彼に土方さんはぴたり、と手を止め、掴んでいた着物を放すと、ここへ来たもう一つの目的を口にした。
「あぁ、黒幕が誰かはまだ吐かねぇが……こいつを屯所から連れ出し、事前に金で集めといたゴロツキ共に渡して殺させるっつー命を受けたんだとよ。ったく……なめた真似してくれんぜ。おい、お前」
舌打ちした土方さんは顎で私を示す。
「なんか心当たりは?」
「え、」
「あいつらに命を狙われる心当たりはあるのかって聞いてんだよ」
命を狙われる、心当たり。
あるわけないでしょ。……昨夜ここへ来たばっかなのに、そんなのあるわけないよ。逆にこっちが聞きたいくらいだ。
