どこかずれた点を気にしていると、足音はこの部屋のまん前で止まり、荒々しく戸が開かれた。
「ッ―――?!」
姿を見せた人物を見るなり、私は一気に全身を強張らせる。残っていた東雲さんも驚いたように言った。
「副長……!」
立っていたのは、土方さんだった。
でも、どういうわけか、何も言葉を発しない。まるで何かに面食らったかのような表情で私を凝視している。
流れる、気まずい沈黙。
「?……あ、あの…副長?」
彼女が戸惑いの色を隠せず訊いても、土方さんは何も返さず、眉間に深い皺を刻み、誰がどう見ても怒っているとしか思えない表情へと変貌させてゆく。
っな、何?なんなの一体ッ?!私、なんかした―――??!!!
鬼の如き形相を目の前に、私の顔は青褪め、背には冷や汗が伝う。
「ッの野郎、騙したなっ……!!」
戸にかけたままの手を怒りでわなわなと震わせ、声を押し絞る土方さん。
次の瞬間、
「出てきやがれ総司ぃ―――――――――ッ!!!!!!!!」
屯所内に、鬼副長の怒声が響き渡った。
