「もう少し空気読もうよ、しのちゃん?」
「私は東雲だ。しのちゃんと呼ぶな!」
へらっと笑う沖田さんに東雲さんが早口で噛み付く。お互いの雰囲気から察するに、どうやら犬猿の仲のよう。
「はいはい、しのちゃんほんと真面目…というか、固すぎだよね」
「真面目で何が悪い。後、返事は一回にしろ」
「…しのちゃんて冗談が通じないから。たまに嫌いだな」
「ほぅ…なら、安心するといい。私もお前をあまり好かん」
恐ろしいほどに笑顔の沖田さん。凍てつくような瞳の東雲さん。加えて、空気は険悪。
何故だろう。見えるはずがないのに、二人の背後に絶対零度の冷たさを宿す黒き炎が燃えているのが見える。自分から話題が逸れたことに喜ぶべきなんだろうか。
「だぁ゛―――おめぇら黙りやがれっ!話が先に進まねぇ!余計にややこしくなんだろーが!!!」
これから修羅場でも繰り広げそうな二人に土方さんが吼えた。
「総司に東雲…次余計な口はさんだら追い出すからなっ…!」
その地の底から響くような低い声に、二人の背後の炎と共に空気も一掃された。
