沖田さん……。
今はまだ私のことを話してる最中かもしれない。ありがとう、ってちゃんと言いたいけど、次に会えるのは、いつだろう?
彼にきちんとお礼を伝えたい。私のこの願いは思っていたよりも早い未来に実現することとなった。
――×――×――
「……寝れない」
現在でいう消灯時間はとっくに過ぎているらしく、しん……と静まり返った屯所内。布団を捲り上体を起こし、私は再びぼそっと呟いた。
「全く、寝れない……」
昨夜は本当に色々あって、一睡もしていない。
寧ろ寝ている暇なんてなかったし、眠れるような心境でもなかった。だから身体には肉体的にも精神的にも疲労が溜まっているはずなのに、どういうわけか、全く寝付けない。環境が大きく変わったせいかしら。それともタイムスリップしてしまったくせに、こんなところで呑気に寝ようとしている自分がおかしいのかな。
「でも…睡眠はやっぱり大事って、こないだテレビでもいってたしなぁ…」
自分の心中での呟きに、自ら突っ込みを入れるなんて少々おかしな話。何気なく口から出たテレビという単語が妙に懐かしく感じる。この時代には存在しない電化製品。もちろん現代との相違点はそれだけじゃない。それこそ、挙げたらキリがないくらい。ふ、と思う。
私、本当にここで生きていけるのかな……?
漠然と襲い掛かってきた不安の渦。寝れない、という呑気な悩みも吹っ飛んでしまい、一気に心細くなる。ぎゅっと、胸の上で重ねた両手を握った。
「……あれ、起きてたの?」
「っ?!」
一人が、怖いと思っていたら、聞きたかった声と共に、戸が開いた。
