(ん?このにおい・・・) 車の中は、 いつかの香水のにおいがした。 「よりくん、今日どこ行ってたん。」 あたしが聞くと、 よりくんはそっぽ向いて 「べつに」と言った。 明らかに女の気配。 あたしはすぐに車を降りた。 「一人で帰る。」 「なんで?どないしたん。」 「自分の胸に手ぇ当てて、 よーく聞いてみ。」 「やましいことなんかあらへん。」 「嘘や。信じられん。」 あたしはさっさと帰ろうとした。 するとよりくんは あたしにケータイをぶん投げてきた。