「知ってどうすんねん。」 あっくんは笑って、 仲間を払いのけた。 そして、 どこを見ているのかわからない目でつぶやいた。 「わざわざ自分から、 あんな世界に入らんでええ。」 「ヒュー、カッコイイー。」 という声が、店内に響いた。 あたしはよりくんの話を聞きにきたのにとイライラして、 同級生に言ってやった。 「ちょっと、話に入ってこんでよ。 そっちはそっちで飲んでくれる?」 その言葉で店内の空気は急速に冷えていった。