シンジさんは「あ?」と言って、 鋭い眼球であたしをにらみつけた。 「す、すいません。」 怖くてすぐに謝った。 シンジさんはタバコを足元に捨て、 高そうな靴で踏み潰した。 「本人の意志が固いモンは、 俺がなに言うたかて どうにもならへん。」 「・・・・・・。」 シンジさんは諦めたように言い捨てた。 そして、 どこかさみしげな表情でつぶやいた。 「よりは、何があっても 俺についてくると思うてたんや。」