「あんたが中学の時やったかなぁ? 調理実習で手ぇ切って帰ってきたやんか。 あん時は大変やったんよ。 お父さんが学校に電話して ヤンヤン言うてから。」 「そうなん? 知らんかったわ。」 「どうせ優子がボケ―ッとしてたんやろぉ?」 「ふふ。そうやろね。」 お母さんはどうして帰ってきたのかも、 彼氏のことも いっさい触れなかった。 聞くのではなく、悟ってくれる。 母親ってすごいなぁと思った。