「ショウ先輩のアパート行ってみたい。
連れてって。」
あたしはあっくんにお願いした。
「あぁ、今はもうないねん。
かなり古かったから取り壊されてる。」
あたしが残念な表情を浮かべると、
あっくんはタバコに火をつけて話を続けた。
「ショウ先輩のアパートが取り壊されて、
すぐ実家を探したんや。
何かあるたびに家の近くの公園でボケ―ッとしとった。
あれ何年前やったかな。
命日の夜の、11時過ぎ。
事故が起きた時間になると、
先輩の部屋に電気がついてん。
あっ、先輩が帰ってきたって、俺らアホなこと考えとったけど。
きっとオカンか誰かが明かりつけてるんやと思う。
ここ何年かは行ってへんけどね。」
