それでもよりくんは顔色ひとつ変えずに、
「また今度」と軽くあしらった。
お姉さんは最後にもう一度あたしたちをにらみ、
今にも転びそうな高いヒールで、
さっさと店を出ていった。
「いいんですか?あの人。」
あたしが聞くと、よりくんは
「あぁ、飽きた。」
とさらりと言い捨てた。
すると、すかさずあっくんがフォローに入った。
「ま~たおまえは憎まれ口たたいて。
優ちゃんさっきの子はな、
色んな男に色気ふりまいて、
キープした男に貢がせてんねん。
ついこの前もツレが被害にあってなぁ。
今度はよりを狙ってんちゃうかって、
みんなで警戒してるねん。」
