車から降りてきたのは、 スーツ姿の怖い顔をした、 30代前半くらいの男の人だった。 その人はあたしを通り過ぎて、 よりくんの部屋のインターホンを鳴らした。 「あの、よりくんに何か用ですか?」 恐る恐る話しかけると、 その人はじっとあたしの顔を見て 「妹か」と聞いてきた。 あたしは「彼女」だと答えた。 「ほー。どう見ても普通のお嬢さんやないか。 よりはいてへんの?」 「今出かけてて、 いつ帰ってくるかわかりません。」 あたしはドキドキしながら伝言を聞いてみた。