あたしの言葉によりくんは考え込んだ。


時計の音が響くほど静まり返った部屋。


沈黙の世界に二人、

投げ出されたみたいだった。



「べつに、ええやん。」



よりくんはタバコをくわえた。

あたしはそのタバコを奪い取った。



「本当のこと教えて。よりくん!」



緊迫した空気に耐えられなくなったのか、

よりくんはタバコとケータイを持って立ち上がった。



「どこ行くん?まだ話は終わってへんやん。」



あたしの言葉を無視し、

よりくんはそのままアパートを飛び出した。



怒ったという感じではなく、

これ以上は・・という表情をしていた。


どこか苦しそうにも見えた。




「なんで?

なんで何も話してくれへんの・・・。」