「ずいぶんと場違いな店を選んだものだな?」 焼鳥の串を豪快にほうばりながら、ビールを流し込みつつ、白髪頭の50代ぐらいの男が言った。 「そうかもな。だが、アイツが好きな店だったものでな。ま、弔いの気持ちと言おうか…」 対面の30代ぐらいの短く髪を刈り込んだ精悍な感じの男が、焼酎のお湯割りを飲みながら答えた。